言語を切り替える
テーマを切り替える

Cloudflare遅い?優選IPでアクセス速度を改善し遅延を劇的に下げる方法

はじめに

「自分のサイト、Cloudflareを通したら逆に遅くなってない?」と感じたことはありませんか?
あるいは、特定のネットワーク環境(会社のwifiや特定のプロバイダ)からだけアクセスが不安定になることはないでしょうか。

Cloudflareは世界最強のCDNですが、**Anycast(エニーキャスト)**という技術を使っています。これは「一番近いサーバーに自動的に繋ぐ」というものですが、ネットワークの経路制御(ルーティング)によっては、地理的に近くても、わざわざ遠回りの遅い回線を経由してしまうことがあります。特に、無料プランのユーザーは混雑した経路に割り当てられることが稀にあります。

そんな時、「手動で速いIPアドレスを指定して接続する」という裏技があります。
この記事では、オープンソースツールの CloudflareSpeedTest を使って、あなたの環境にとって「最速のCloudflareノード(優選IP)」を見つけ出し、劇的に速度を改善する方法を紹介します。

なぜ「遅い」現象が起きるのか

Cloudflareは世界中にデータセンターを持っていますが、全てのIPアドレスが同じ品質のネットワーク経路を通るわけではありません。

  • 混雑: 一部のIP帯域にトラフィックが集中している。
  • ルーティングの悪戯: 東京にいるのに、プロバイダの都合で一度アメリカ西海岸を経由して戻ってくるような経路になることがある。

通常、我々はCloudflareが自動で割り当てたIPを使いますが、これが「ハズレ」の経路だった場合、遅延(Ping)が高くなったり、パケットロスが発生したりします。しかし、Cloudflareは他にも数千、数万のIPアドレスを持っています。その中には、あなたの環境から爆速で繋がる「当たり」のIPが必ず存在します。

200ms~
運が悪い時のPing
海外経由や混雑ルート
30-50ms
最適化後のPing
国内直結ルート
3-5倍
効果
体感速度の向上

CloudflareSpeedTestツールの使い方

GitHubで公開されている XIU2/CloudflareSpeedTest というツールを使います。これは、大量のCloudflareのIPアドレスに対してPingとダウンロードテストを行い、最速のIPをリストアップしてくれる神ツールです。

1. ダウンロード

GitHubのリリースページから、自分のOSに合ったバージョンをダウンロードします。

  • Windows: CloudflareST_windows_amd64.zip
  • macOS: CloudflareST_darwin_amd64.tar.gz (Intel) / arm64 (M1/M2/M3)
  • Linux: CloudflareST_linux_amd64.tar.gz

2. 実行(測速)

ダウンロードして解凍したら、ターミナル(またはコマンドプロンプト)で実行します。
Windows:
フォルダ内の CloudflareST.exe をダブルクリックするだけでOKです。

macOS / Linux:

# 実行権限を付与
chmod +x CloudflareST
# 実行
./CloudflareST

実行すると、自動的にテストが始まります。

  1. 遅延テスト: 数千のIPにPingを打ち、応答の速いものをスクリーニングします。
  2. ダウンロードテスト: 選ばれた速いIPから実際にデータをダウンロードし、スループットを計測します。

所要時間は5分〜10分程度です。コーヒーでも飲んで待ちましょう。

3. 結果の確認

完了すると、フォルダ内に result.csv というファイルが生成されます。これを開くと、速い順にIPが並んでいます。

選定基準:

  • パケットロス(Loss): 0.00 であること(必須)。
  • 平均遅延(Ping): 低ければ低いほど良い。
  • ダウンロード速度: 高いほど良い。

上位のIP(例:104.16.xxx.xxx)をいくつかメモしておきましょう。
注意: 測定中はVPNやプロキシをオフにしてください。正確な直結速度が測れません。

サイトへの適用方法:3つのパターン

見つけた「最速IP」をどうやって使うか? 3つの方法があります。

方法1:Hostsファイルで固定(自分だけ高速化)

「自分のPCからアクセスする時だけ速くなればいい(開発中など)」という場合は、PCのhostsファイルを書き換えます。

# hostsファイル (/etc/hosts または C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts)
104.16.xxx.xxx  your-website.com

これで、あなたのPCはそのドメインにアクセスする際、強制的にその速いIPを経由します。

方法2:DNSレコードの変更(全員を高速化・上級者向け)

自分の管理するWebサイトを高速化したい場合、DNSのAレコードを、CloudflareのデフォルトIPではなく、見つけた「優選IP」に向ける方法があります。
⚠️注意: この方法はCloudflareの正規の使い方から少し外れます(通常はCNAMEやCloudflareのネームサーバーに任せるべきです)。
また、指定したIPが将来的に無効になったり、割り当てが変わったりするリスクがあります。採用する場合は、定期的にIPの生存確認が必要です。

最も安全な運用は、**CNAME方式(SaaSなどの優選ドメイン利用)**です。一部のSaaSプロバイダ(Shopifyなど)にはCloudflareの優遇されたIP帯域が割り当てられており、それらのドメイン(例:shopify.com のIPなど)にCNAMEを向けることで間接的に高速化するテクニックも存在します。

方法3:特定のネットワーク環境での対策

もしあなたが社内ネットワーク管理者で、「社内から特定のSaaS(Cloudflare利用)への接続が遅い」という問題を解決したい場合、社内DNSサーバーでそのドメインのAレコードを「優選IP」に向けてオーバーライドするのが効果的です。

よくある質問とトラブルシューティング

Q: 突然繋がらなくなりました。
A: CloudflareのIP割り当てが変わったか、そのIPがダウンしている能性があります。もう一度ツールを回して、新しい最速IPを見つけて更新してください。

Q: SSL/TLSエラーが出ます。
A: IPを直接指定しても、SNI(Server Name Indication)によって正しい証明書が返されるはずですが、設定によってはエラーになることがあります。CloudflareのSSL設定を「Full」または「Full (Strict)」にしているか確認してください。

Q: このツールは安全ですか?
A: 無作為にPingとダウンロードを行っているだけなので安全ですが、短時間に大量の通信を行うため、ネットワーク管理者から変な目で見られるかもしれません。職場でやる場合はほどほどに。

まとめ

CloudflareSpeedTestは、ネットワークの「隠れた最適経路」を見つける強力なコンパスです。
「なんか遅いな」と思ったら、我慢せずに計測してみてください。たった一つのIPアドレスを変えるだけで、ウェブ体験が爆速に変わるかもしれません。

Cloudflare優選IP探索・設定フロー

CloudflareSpeedTestを使って最速のIPを見つけ、適用するまでの手順

⏱️ Estimated time: 15 min

  1. 1

    Step1: ツールの入手

    GitHubからCloudflareSpeedTestをダウンロードし、解凍する。
  2. 2

    Step2: 測定の実行

    ターミナルまたはコマンドプロンプトでツールを実行。プロキシはOFFにしておく。
  3. 3

    Step3: IPの選定

    result.csvを確認し、パケットロス0%かつ遅延が最も低いIPアドレスを選ぶ。
  4. 4

    Step4: 適用(HostsまたはDNS)

    テスト目的であればhostsファイルに記述。恒久対策であればDNSレコードを変更する(リスク管理が必要)。

FAQ

優選IPはずっと使えますか?
いいえ、永遠ではありません。ネットワーク状況やCloudflareの構成変更により、今日速かったIPが明日も速いとは限りません。定期的に(例えば月に一度)測定し直すことをお勧めします。
サイト訪問者全員の速度を上げたいのですが。
DNSのAレコードを変更すれば全員に適用されますが、特定の地域で速いIPが他の地域でも速いとは限りません。グローバルなサイトであれば、Cloudflareのデフォルト(Anycast)に任せるのが通常は最適解です。このテクニックは「特定の地域から著しく遅い場合」の回避策として使うのが賢明です。

3 min read · 公開日: 2025年12月1日 · 更新日: 2026年1月22日

コメント

GitHubアカウントでログインしてコメントできます

関連記事